安倍昭恵氏よりTokyo SuperStar Awards2014に向けたご挨拶


この度は、Tokyo SuperStar Awards2014において、コミュニティ賞に選出をいただき、大変光栄であり、嬉しく思っております。

IMG_0181_pp_small私がLGBTの問題に深く関わるようになったのは実はそんなに昔のことではありません。2010年に、ご縁あって化粧品会社のロレアルが取り組んでいるエイズ予防活動のお話を伺う機会があり、それ以来、HIV/AIDSの問題について意識をもつようになりました。そして、昨年6月、総理夫人として横浜でTICADⅤの夫人プログラムを主催することになり、そのシンポジウムのテーマとして、HIV/AIDSの問題を取り上げました。その際に、NPO法人日本HIV陽性者ネットワークの長谷川博史さんはじめ、この問題に取り組む様々な方々と知り合うことができ、そこからLGBTの皆さんとのご縁がつながっていきました。

さらに、TICADⅤでHIV/AIDSをテーマに取り上げたことを評価いただき、昨年11月にはUNAIDSランセット委員会の委員に就任させていただきました。最初は、HIV/AIDSに深い知見のない私が何かお役に立てるのだろうかと思いましたが、私を通して、日本の、そしてアジアのHIV陽性者の皆さん、LGBTの皆さんの声が少しでも国際社会に発せられるのであればと思い、お引き受けさせていただきました。今年2月にはロンドンでのUNAIDSランセット委員会にも出席させていただきました。

UNAIDSランセット委員会に向けて、様々な方からお話を伺い、多くのことを学ばせていただきました。その一つが、エイズは社会を映す鏡であるということです。感染者や患者の方が声を上げて、UNAIDS、世界基金のような世界的な取り組みが実現しました。けれども、まだまだ、苦しみを受け続ける方々が声を出せない、声を出しても届かない社会があるということも知りました。多様性を受け入れず、差別を許す社会、あるいは、性という問題に目をそむけ、無関心でいる社会です。

なぜ、ありのままの自分として生きていくことが許されないのか。私はHIV陽性者の方々やLGBTの方々と触れ合いながら、共に手を携えて生きていくことが大切だと感じました。そのために、性の問題から目をそむけてはならないと考えました。政治的な指導力や法律を通じて、社会を変えていくことも必要かもしれません。しかし、なによりもまず,私たちは、目をそむけたいと思う自分自身の心の中の壁を乗り越えなければならないと思いました。私はUNAIDSランセット委員会で、このことを話しました。

性的指向に違いがあろうと、人を愛する気持ちの尊さに変わりはありません。愛する相手次第で、差別を受けるようなことはあってはなりません。私は愛する人の違いによって差別されない社会、多様性を受け入れる社会をつくるために、力を尽くしたいと思いました。

こうした思いで、私は今年4月の東京レインボーパレードに参加しました。カートに乗せていただいて代々木・渋谷の街を行進し、町の人たちに手を振りました。最初、私がこのパレードに参加することで、もしかしたら批判されるかもしれないと考えていました。しかし、街を歩いている人たちの多くは、驚くほど熱心に、笑って手を振りかえしてくれました。メディアにも好意的に取り上げられ、多くの方々から共感のメッセージをいただきました。

私は確信しました。きっといま世界は少しずつ変わってきているのだと。私たちを隔てる壁が崩れ、皆が本当に手と手を取り合える日は、少しずつ近づいているのだと。この流れを確かなものにし、まだ世界の各地で苦しんでいる人たちすべてを解放していけるように。そう心から願います。

この願いの実現に向けて私ができること、それはLGBTの方々と手と手をとり、笑顔でいること、そして、より多くの人に参加してもらえるよう、声をあげていくことだけかもしれません。しかし、アメノウズメが楽しく踊ることで、天岩戸開き(あまのいわとびらき)のきっかけをつくったように、どんな状況の中でも明るく力強く声をあげていくことで、世の中は必ずよい方向に変えていける、そう信じています。

私は声をあげつづけていきます。私の声が少しでもLGBTの方々のプライドのために役に立てるのなら、これ以上の喜びはありません。ありがとうございました。

平成26年12月6日

安倍 昭恵